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い5年間に集中している(図9)。ただし、スウェーデンの現代の結婚生活を理解するにあたって必要なことは、家族形成が非婚姻同居で始まり、第一子出産もこの形態で行なわれるということである。子どもの誕生後数年のうちに離婚するカップルがここ数年増加する傾向にあるが、とくに若い母親(22−23歳)の離婚率が高齢出産をする母親の離婚率よりも高くなっている(SCB 1995:1)。初めての子どもの誕生が、しばしばカップル間に摩擦をおこし家族危機に導きやすいことは、研究・調査などによって指摘されていることである。

 

図9 結婚年別・婚姻期間別既婚女性1,000人に対する離婚数

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離婚・カップル解消リスクと人口統計学的要因(生い立ち):
統計局の人口統計レポート(SCB 1995:1)によると、まず若い世代の離婚リスクが年上の世代に比べて高い。とりわけ、何歳でカップル形成による初めての同居を始めたかということに大きく関わり、相対的リスクは十代で同居を始めたグループにおいて最も大きい。また、子どものないカップルの離婚リスクが高いことは婚姻・非婚姻カップルの両グループに共通していえることである(ただし、非婚姻カップルの場合は差はそれほど大きくなし))。また、地方都市に比べて大都市で育った人や、成長期全期間にわたって両方の親とともに生活しなかった人(男性に関しては大部分の成長期間を両親が別居していた場合)の離婚リスクが高いことも指摘される。伝統的な核家族に育った人たちに比べて、分散した離婚家庭に育った人たちは、

 

 

 

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